2017/11/25

坂東観音巡礼

あんどん倶楽部という自分が参加している集まりでこれまでは「100寺巡礼」やら「秩父観音巡礼」「宿場巡り」などしてきましたが、今度は「坂東観音巡礼」を始めることになりました。自分としたら大歓迎です。というのも100寺巡礼で鎌倉五山を廻った折、最後の浄妙寺の近くに坂東の一番札所である「杉本寺」があったので、数人で寄ってきていました。その時が自分にとっての坂東観音巡礼スタートの日になり、その翌年の正月、友人と二人で厨子から鎌倉を歩きながら鎌倉市内にある札所3ヵ所と小田原の1ヵ所を廻って来ました。以前廻った西国霊場と違い、坂東の札所は大きなお寺からほんとに小さなお寺まで千差万別。それでもその後行った札所に較べれば鎌倉や小田原にあるお寺は大きく立派なものでした。
今回廻った5寺は個人的には既に参詣済みの所ばかりでしたが、改めてリスタートです。


  1番 杉本寺  
杉本寺 石段

杉本寺の石段は柔らかな鎌倉石を使っているため、これまでの参詣者の数を物語るかのように磨り減って苔むしています。現在は通行不可となっており、石段横の通路を通ります。

  2番 岩殿寺  
岩殿寺 奥の院
岩殿寺は鎌倉市内ではなく逗子市にあります。また、奥の院といっても岩殿寺のそれは観音堂の裏にあるので苦労もせずに辿り着けます。この洞の奥には行基の作と伝わる十一面観音菩薩像が安置されており、この岩の祠が岩殿寺の寺名の所以になっています。本堂に安置されている本尊は絶対秘仏で非公開。


  3番 安養院  
安養院 本堂
逗子から再び鎌倉に戻ります。安養院は北条政子が夫、頼朝の菩提を弔うために長谷の方に建てた長楽寺が元になっているといい、それが現在の地に移り安養院となったとか。安養院は政子の法号から来ています。この寺は鎌倉のツツジの名所としても知られ、花の時期には見事なツツジを見る事が出来るようです。帰って来てから知りましたが、この寺には映画監督「黒澤明」監督の墓もあるようでした。


  4番 長谷寺  

観音堂と阿弥陀堂
長谷寺は大きなお寺です。ここの本尊の十一面観音は奈良の長谷寺の観音像と同寸といいます。奈良の長谷寺の徳道上人は十一面観音を2体同時に造り、その1体を海に流したところ、十数年後に三浦半島に流れ着いたものを安置したのが鎌倉長谷寺の始まりといいます。これまでは静かだった札所に較べるとここは賑やかです。それに外人さんも多い!

  5番 勝福寺  
観音堂
小田原まで戻ってきました。この勝福寺の創建に拘わった人たちの名前を見ると、その当時では超メジャーな有名人のオンパレードです。まずこの寺の興りは唐からやって来た鑑真が請来した十一面観音像が時の孝謙天皇に献上され、これは当時孝謙天皇の信頼を得ていた弓削道鏡に下賜されます。この後、孝謙上皇崩御の後力を失った道鏡は房総に左遷されますが、そこに赴く途中、この地で堂を建てこの観音像を安置したのがこの寺の始まりといい、その後、東大寺実忠大僧都を開山初祖に落慶大法要を行なっています。鑑真、孝謙天皇、道鏡、実忠、と時の有名人層揃えといったところ。

この5寺意外にも三寺ほどは参詣済みとなっています。しかし、満願するのは一体何時のことになるのか!


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